03 Sep 股旅 市川崑監督が1千万で作った作品
未見でしたが、ずっと頭に引っかかっていた1973年の映画です。なぜかと言うと、監督が1千万円でどんな映画が作れるかというのが動機と説明していたので。youtubeにあがっているのを見つけ喜んで見ました。画面もとてもクリアです。江戸時代、3人の若い渡世人のドラマ。あまざまな時代考証も勉強になります。渡世人というのは侍の落ちこぼれと思っていたのですが、誰でもなれるんです。一宿一飯の恩義に預かる場合、家主との長々と続く口上もあるんですね。出演の渡世人の一人小倉一郎は貧農の息子。帯刀できるのは侍だけの特権だと思っていたのですが。小倉の他には、尾藤イサオ、荻原健一が演じています。三つ巴の演技合戦は互角。3人が好演です。小倉は今は脇役専門のお爺さんですが、当時はアイドル系。主演作も多いです。尾藤は主演クラスにはなれなかつたですがロックンロールと芝居でバリバリの現役。全く変わらない容貌は奇跡の人。今は亡きショーケンは、GSのテンプターズで売り出した後演技に興味を持ち始めた頃です。道中で3人の渡世人が小倉はガールフレンドもゲットしたり、チャンチャンバラバラもあり、ちょっとしたユーモアも挟んでドラマが展開するのですが、エンディングは?と思いました。尾藤(破傷風)も小倉(打ちどころが悪く)も土手から転げ落ちて死ぬのですが、呆気ない感じ。市川監督なら、いつの時代でも当てはまる社会からはみ出した若者の痛みとか切なさが、出せるはず。それがあれば、小品ながら秀作になったのでは。当時の1千万円は現在の貨幣にするとや約3千万円プラス。3千万円で映画が作れるかどうか、答えはイエスです、「カメ止め」は約3百万円、「侍タイムスリッパー」は約3千2百万円でできた映画。絶賛され大ヒットしたのはご承知の通り。コツは役者を含めて無名あるいは無名の近いひとをスタッフにすることです。
60点
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