五瓣の椿  岩下志麻の代表作 - Kenjis Movie Review
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五瓣の椿  岩下志麻の代表作

岩下志麻が、日本映画界を代表する大女優への第1歩となった文芸大作。1964年の作品で、この作品以外にも、時間とお金をたっぷりとかけた巨匠による大作が、ひんぱんに製作されていた時代の映画。
原作は山本周五郎。復讐劇です。おしの(岩下)の最愛の父(加藤嘉)が結核で死に、看病もせず放蕩三昧だった母(左幸子)は父の死に際にも、男と遊びに出かけ家に帰ってこない。おしのは母をなじるが、婿養子で勤勉家だった父は、本当の親ではないと言い放ち、おしのはショックを受ける。同時に、この汚い女の血が自身に流れていること恥じる。そしてある決意をする。この母親である女と、関わった男たちを殺すという決意。大家が火事で焼け、3人の死体が発見される。父と母、そしておしの(本当は母の遊び相手)。一家心中ということで一見落着。そこからおしののリベンジのドラマが始まります。
とにかく岩下が綺麗です。ソフトビューティの岩下が、きりっとした顔をして海千山千の男どもを殺し、その死体現場に椿の花を一輪残していくプロセスに、カルタシスを感じます。それから今なら特撮で済ませると思いますが、家が大火事のシーンは、数千万円をかけて作った家を実際に燃やしたそうですが、ど迫力があります。このシーンに出演した俳優たちは、一発勝負で非常に緊張したそうです。母親役の左幸子が、やっぱり上手い。殺される男たちに、田村高廣、伊藤雄之助、大辻司郎などくせ者俳優をそろえており、岩下との絡みはやっぱり見応えがありました。特に伊藤雄之助のような怪優タイプはもう出てこないでしょうね。
五瓣の椿は、以降、テレビや舞台で何度もリメイクされてますが、これを超えたものはないと思います。
                                         
    
                                                 80点

  

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