さすらいの航海    Voyage Of The Damned 亜流のホロコースト系で実話大作 - Kenjis Movie Review
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さすらいの航海    Voyage Of The Damned 亜流のホロコースト系で実話大作

1939年、ドイツのハンブルグからキューバのハバナに向けて、客船SSセントルイス号が出港。ナチスから逃れるユダヤ人を満載して。ただこれはナチスのプロパガンダで、ユダヤ人を下船させる気はまったくないんですね。結局下船できず、ハンブルグへ戻る羽目になります。
船上のユダヤ人の群像ドラマを、オールスターキャストで、重鎮スチュアート・ローゼンバーグ監督による実話。落ち着いたペースの堂々とした大作です。
フェイ・ダナウェイ、マックス・フォン・シドー、リー・グラント、キャサリン・ロス、マルコム・マクダウェル、マリサ・シェル、リン・フレドリック、ベン・ギャザラ、オーソン・ウエルズなど、そうそうたる俳優が揃いました。
映画のトップビリングはフェイ・ダナウェィで、彼女の最盛期の一作でもあるので、彼女が主役だと思いますが、洗練された貫禄ぶりで魅了するものの、ドラマ的には大した見せ場があるわけではないです。一番印象に残るのは、儲け役と言っていい、短いシーンにしか出ないキャサリン・ロス(ゴールデングローブの助演賞をゲット)。ハバナで高級売春婦として生きる女性。船の中に両親が居り(マリサ・シェルなど)、コネを利用して、お金を届けるため船室を訪れます。一目見て娘が何をしているのか察した母親との葛藤が、この長尺の映画のハイライトだと思います。最後にそれぞれのその後が説明されますが、収容所送りになった両親は、娘からのお金で生きのびたとの説明が。ま、本当なのかどうか分かりませんが、単純に感動しました。
コロナ禍でクルーズ客船が受難となりましたが、オーストラリアでも、すべての州が下船を許さず、船が下船を求めて漂流しているニュースを見て、これは現代の「さすらいの航海」じゃないかと、非常に驚きました。
                     80点

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