12 Jun 黒蜥蜴 丸山明宏の妖艶美が決め手
この映画は、丸山明宏(当時の名前です)の妖艶美に酔える人にとっては、格好のエンタメですが、そうでない人には、ケッ、キザでくさいセリフが満載のアホみたいな映画だと思われるかもしれない。
江戸川乱歩原作で、稀にみる美しい犯罪者黒蜥蜴と明智小五郎(木村功)の一大対決がメインストーリー。大財閥の令嬢(松岡きっこ)を誘拐し、引き換えに、大財閥が所持する貴重な宝石との交換を迫るのを明智が解決しようとするんですね。2人の丁々発止の言葉の戦いも見どころなんでしょう。
当たり役で長い間続けている舞台版は、これを三島由紀夫が脚色したものです。未見です。丸山の讃美者としても有名な三島もくん製にされた犠牲者としてカメオ出演。おまけにキッスシーンもあります(三島の要望だとか)。丸山は口跡がいいのでセリフの一語一語が明確で爽快。
美輪明宏さんにインタビューしたのは、紅白に出場が決まった年で(ヨイトマケの唄を熱唱し、一大センセーションを巻き起こしたのは周知の通り)、ご自宅に伺うと、玄関からそこら中、お祝いの花、花で、一瞬ここは花屋なのかと思ったほど。ロココ調の応接間で話す美輪さんは、剛気と華麗が混ざった金粉がふりまかれているようで圧倒されました。この映画の頃より、華麗さは倍増していると思いました。
コーヒー頂いたのですが、お手伝いさんが病気で今日は居ないのでと、テーブルの後片付けをする美輪さんに、思わず「美輪さんが後片付けをするなんて止めてください。後片付けなんて、美輪さんには似合いません。私がやります」と叫びそうになるのをかろうじてこらえました。美輪さんには、日常的なことはまったく似合わない。
65点
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