闇の子供たち    エンディングが全てを台無しにした映画

闇の子供たち    エンディングが全てを台無しにした映画

一時期、日豪プレスの記事のために、ヒューマントラフィック(人身売買)に関する映像やノンフィクションの本などを、片っ端から観たり読んだりしたことがありました。目についた本の一冊が梁石白の「闇の子供たち」。読んで、なんだこれは小説じゃんと気づいた間抜けぶり。それでも、作者の人身売買に関する憤りが伝わってくる良書だと思いました。
それを元にした映画で、子供たちが売春や臓器提供(小説ではこの部分は無かったのでは、昔のため思い違いがあるかもしれない)のため、人身売買の犠牲者となるスートリー。
真実云々で売ってひんしゅくを買いましたが、原作自体が小説なので、宣伝部の勇み足とか誇大広告というよりも詐欺ですね。ただ、世界のどこかで、映画の中の子供たちの人身売買は、紛れもなく起きていることです。闇のビジネスである人身売買は、現在、ドラッグビジネスに匹敵するほどの大産業に膨れ上がっていることをご存知ですか。あるルポ本で、それに関わる人間が、「ドラッグは一度売ればそれでおしまいだけれど、人間は何度も何度も売れるので利益が段違いにいいんだよ」と豪語するのを読んで衝撃を受けました。
映画はタイを舞台に、子供たちのヒューマントラフィックを追うジャーナリストが江口洋介、カメラマンが妻夫木聡、現地でボランティア活動するのが宮崎あおい。当時のトップ若手スターに、子供のために臓器を買おうとする父親が佐藤浩市。監督が日本映画界を代表するひとり阪本順治とくれば、現代の闇を描く社会派の問題作と誰もが期待するはずですよね。
俳優たちも、それぞれ社会的な意義を感じて参加しただろうと予測できます。不必要な襲撃戦があり鼻白んだシーンもありましたが、ま、社会派の映画と思っていたところ、信じられないエンディングで開いた口が塞がらなかったです。
ネタバレは注意ですが、だいぶ前の映画なのでいいでしょう。最後は江口がペダファイル(幼児愛好者)だったというどんでん返し。こういう終わり方は、こういうテーマを扱った映画では絶対にしてはならないと怒りがわいてきたほどです。社会派映画が、最後にエンタメサスペンスのどんでん返しをひっつけたのはなぜ?大きな疑問符が今でも残っています。
                                            50点

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