祈りの幕が下りる時

祈りの幕が下りる時

 ブッチ切れのベストセラー作家、東野圭吾の小説の映画化。刑事加賀恭一郎のシリーズ物で、すでに10作品が出されているそうです。個人的にはあまり馴染みのない作家で(直木賞受賞の「容疑者Xの献身」はとても良かったです)、映画化されたのものを見るのも、これが初めて。

 加賀刑事を演じるのは、映画に出ずっぱりの阿部寛。オープニングは、彼の母親のエピーソードからスタートします。扮するのは元キャンディーズの蘭ちゃんというよりも蘭おばちゃん。蘭おばちゃんは加賀刑事の母親で、失踪し、やがて失踪先で病死。失踪の理由は、ある時ナイフを持ち、自分を殺したいのかそれとも息子を刺したいのかと懐疑し怖くなりきえる訳です。家族で夕食中ちゃぶ台をひっくり返すシーンがあるので、単なるうつ病だけではなく、今はやりの言葉で言えば、バイポーラ躁鬱病なんでしょう。

 おいおいそういう兆候が出れば病院の心療内科に行って診察してもらうのが普通でしょう、なんて言うと物語が始まらないので、先に進みます。

 一方あるアパートで中年女性の腐乱死体が発見され、メインストーリーが動き出します。これを追うのが阿部ちゃんと後輩の溝端淳平。そして、これに松島菜々子がミステリーな女として加わります。

 正直言って謎の全容をつかむのに苦労しました。こちらの頭が悪いのか、それとも監督が要領を得ないのか。謎解きのハイライトらしいカレンダーと日本橋にあるそれぞれの橋との関わりはすんなりと頭に入ってこなかったです。

 大輪の花のように美しい松島菜々子。演技力もあります。ところが意外にも横顏がいけてないんですね。2カットありました。こういう映画は彼女の美しさが隅々に行き届いて冴える類のもの。カメラアングルを監督は熟考すべきだと思いました。

 それから、阿部ちゃんがものすごい音を立ててざるそばをすするシーンが2回あり、名脇役と言われる小日向文世が阿部ちゃんの上司で、歌舞伎調の上段に構えたセリフ回しで笑わせようとします。監督のユーモアのセンスだと思いますが、正直言ってダサい。

 

                                   60点

 

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