愛のコリーダ大島渚監督衝撃の問題作

愛のコリーダ大島渚監督衝撃の問題作

昔から大島監督のファンです。まず名前がいいですね。渚という名前。渚という名前をつけたご両親は、当時としては、モダンなカップルだったのではと、勝手に想像したりします。有名な阿部定事件を映像化したもの。多分何じゃい、それはという若い人に説明すると、昭和十一年に起きた猟奇事件です。阿部定という女性が、性交中、相手の愛人である男性を縊死させ、その後、彼の局部を切り取り大事に持っていたという、センセーショナルな出来事。何故、衝撃の問題作かというと、映画の中で、実際にセックスをしてるからなんですね。大昔シドニーでノーカット版を見ましたが、藤竜也が実際にやっているのを見てショックを受けました。後で、制作ノートを読みましたが、女優が決まらず困ったとのこと。もし女優が見つからなければ、大島夫人でもある小山明子が演る決心をしていたとのこと。そらそうでしょう。いくら芸術作品でも、実際にやることを決意できる女優は皆無だと思いますね。抜擢されたのは、松田暎子という無名の女性。結果はというと、愛と性の極地を死で完結しようとする女の情念は、鮮やかに描かれていたと思います。個人的に一番好きなシーンは、朝帰りする藤竜也が、憲兵達の大行進とすれ違うところです。何故なんだと聞かれると、うまく言えないんですが、個人の生に埋没していく人間と、ますます全体主義に傾いていく国家との対比を、監督は意図したのではないだろうかと愚考します。
      80点
       

  

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