31 Dec 引っ越し大名 うまくまとまった時代劇コメディ
この映画での個人的な最大の発見は、江戸時代、大名の参勤交代や国替えの費用は、幕府から出るものと思っていたんですが、自己負担だったんですね。大変だ。この面白い題材を、犬童一心監督がうまく采配してまとまった時代劇コメディに仕上げました。
姫路藩が国替えを命じられ、生憎引っ越しに天才的だった者が亡くなっていたため、誰か代わりのものというわけで、大騒ぎするんです。こんな割の合わない仕事は嫌だとみんなが敬遠し、かたつむりと呼ばれ、書庫に一日中こもりきりの変人が、無理矢理貧乏くじを引かされます。彼が、どのようにこの引っ越しをやり遂げるのかが、映画のストーリー。藩はすでに財政難で、おまけに国替えに加えて減封にもなって、かたつむりは、それのやりくりもしなければならない。
四面楚歌ですが、引っ越しには本当に必要なものだけを、あとはすべてを売るようにと懇願し、減封になるため、泣く泣くリストラも慣行します。増封になった時は迎えに来ると約束して。リストラされた武士はいやいや百姓をすることになります。それが意図だと思いますが、この辺は現在のサラリーマン社会にも適応しますよ。
かたつむりは星野源。この人の役者としての良さがイマイチ分からないんですが、上手に立ち回っています。
共演は、高橋一生、高畑充希、小澤征悦など。そろって気持ちのいい演技。最後は勿論ヒューマニティスピリットをということで、藩は増封になり、かたつむりは約束通り、リストラした者を迎えに行きます。その内の何人かは百姓で生きることを宣言。過程で運悪く亡くなった武士たちを弔いと、グッドフィーリングのエンドです。
70点
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