映画ジャーナリスト・坂井健二の映画批評ブログ:当ブログは、劇場、TV、DVD、あるいはYOUTUBEなどで観た映画を、新旧ごちゃ混ぜで、洋画一本、邦画一本を取り上げてレビューします。

少年 当たり屋一家を描いた実話もの

大島渚監督の作品。10代の頃だった思います。当たり屋一家の犯罪が、新聞を賑わしていたのを覚えています。走る車にわざと当たって示談金をふんだくる犯罪ですね。これを元にした映画。夫婦(渡辺文雄と大島夫人の小山明子)と少年とチビちゃんという家族構成。正直、なかなか家族に寄り添う気持にはなり難い展開。それは良しとしても、犠牲者である少年への同情も湧いてこないので慌てました。監督は意図的にそういうセンチメンタルな感情を排除して
カメラを向けたのだろうかと。というのは、ラスト近く、少年とチビちゃんだけの長い雪原のシーンは、それまでのトーンをひっくり返すように、見ている方は、子供たちへの思いが胸にあふれます。少年は、ここで心の鬱積を爆発させるのですが、特にチビちゃんは演技賞もの。渡辺は、無能で勝手で怒りっぽい中年のオッサンという感じがよく出ていました。小山は、この役には美人過ぎ。大部分はひっつめ髪と眼鏡でその美貌をおさえていますが、旅館での宴会のシーンで、化粧もして髪も垂らし、わっ、小山明子やっぱ綺麗だと思いましたよ。それは映画にとってはマイナスかどうか。この映画の特色として、1千万で作った作品というのがありますが、当時の1千万円は現在の価値に直すと約4千万円。4千万で映画を作ることができるかどうか。「カメラを止めるな」という前例もありますし、ま、あれはかなり特殊な例としても、有能な助監督を雇い、例えば移動のための飛行機会社やら何やら、スポンサーをいっぱい引っ張ってくれば、大丈夫、作れます。
               70点

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