04 Jun 娼年 絵空事で興味が持てない映画
石田衣良の小説を映画化したもの。未読ですが小説は直木賞の候補になったぐらいなので、身体を売る世界で女性をより知り成長する若者(と解説にありました)がじっくりと描かれているものと想像できます。ただこの映画だけで判断すると、そんなことは微塵にも『実感』できませんでしたよ。
松坂桃李がその若者で、女性に身体を売るために ホテルやら旅館やら自宅やらを訪ね、大きな声をあげ、激しい動作で事に励むんですね。彼は、「passion club(もっとオリジナルなネーミングはできなかったんでしょうかね)」の美人オーナーにスカウトされて娼年として働く訳です。
書き込みをチェックすると、松坂の全裸とか、一流の役者によるAVとか、衝撃の作品だとか、近年稀にみる問題作とか、おどおどろしいのですが、ま、宣伝用なんでしょう。松坂の全裸と言っても見せるのはお尻だけですよ。AV?本当のAVスターに失礼だよ。あちらは身体を張って本当にやってるんだから。精液がいっぱい放出されたコンドームをこれ見よがしにカメラにとらえて
衝撃作というのなら、せめて娼年として初めて仕事をする時、ご丁寧にコンドームを付けるところ撮っていますが、ここで勃起したペニスに実際にコンドームをかぶせるところを見せるべきだと思いました。別に松坂くんのものでなくてもいいじゃないですか。大島渚の秀作「愛のコリーダ」の藤竜也を見よ。あれが衝撃の問題作なんです。
松坂くんが相手をする女性は、若いのから老女までいろいろですが、故江波杏子がベスト。手を握るだけでいく老女ですが、シワだらけの顔から高雅が漂っていました。でも鼻の穴がものすごく大きいんですね(どこを見ておるのだ)。
ひとつプッと吹き出してしまったシーンがありました。松坂くんと同じクラブで働く娼年にせまられて、しぶしぶフェラをさせるんですが これが最高のフェラらしく、終わった後松坂くんは「お返しに何か」と聞くんです。これ笑っちゃうおかしいシーンと思いませんか?ま、指を折ってくれと頼むわけですが(自傷行為ですね)。
ただ松坂くんをはじめ、出演者は全員熱演です。それが本筋とまったくからまないのが残念。
55点
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