
17 Sep 動乱 226事件を背景にした殉愛ストーリー
226事件を扱った映画はいろいろとありますが、これは何と言っても高倉健と吉永小百合サマの2大スターが共演というのが大きな話題だった映画です。
226事件を起こした将校たちの決起のプロセスも描かれますが、それほどインパクトは与えない。やはり健さんとサユリさまの愛の物語が要です。もちろん2人の物語は、フィクションです。サユリさまは貧農の娘。身売りされるのを心配して、兵である弟(永島敏行)が脱走。それを追うのが健さんで、そこで初めて出会うんですね。弟は誤って追ってきた上司を殺し、銃殺刑に。健さんがサユリさまにお金を渡し、身売りを防ごうとします。時間が経ち、朝鮮へ転任した健さんは、ある宴会で体も売る芸者になっているサユリさまと再会しショックを受けます。再会後、サユリさまは自殺を図るが未遂に。売られた女が自殺するはのご法度で、サユリさまは長襦袢だけで雪原に捨てられれます。それを知った健さんは、サユリさまを助けるんですね。サユリさまを抱え雪原を歩くカットは、哀切きわまりないシーンです。ただ、サユリさま、カイロとか厚手の下着などで完全武装してるんだろうねと余計な心配をしました。
健さんはイメージ通り、寡黙で男らしく正義感の強い男を好演です。サユリさまの役は難役。純真な美少女から捨て鉢な芸者へ、健さんに引き取られてからの新妻の風情、ただ健さんが指一本触れようとしないのは汚れた身体だからと疑い、それでも健さんへの愛をぶちまけ、初めて結ばれた時充足する女というのを熱演し、十分に納得できました。
若い将兵のペアに、にしきのあきらと桜田淳子。この頃のにしきのあきらは、純粋イケメンだったんですね。
ラストは、健さんたちが銃殺された後、サユリさまが海の波打ち際を1人歩くシーンにエンデイングロールが。ここで甘いバラードが流れるんですね。好みによりけりだと思いますが、この歌はいらないと思いました。映画はよかったので目を瞑るじゃなかった、耳を塞ぐことにしましょう。
吉永小百合さまにインタビューさせていただいた時(2013年)、愚問だとは思いましたが、これまでの作品で代表作を5本挙げてくださいと聞くと、「すべての映画にそれぞれ愛着ありますが」と前置き後、「キューポラのある町」「愛と死をみつめて」「細雪」「母べえ」それにこの「動乱」を挙げられました。
75点
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