刺青  妖艶な 若尾文子 - Kenjis Movie Review
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刺青  妖艶な 若尾文子

刺青、いれずみは谷崎潤一郎の短編「刺青」をモチーフにし、増村保造監督がメガホンを取った作品。監督のミューズだった若尾文子主演。
質屋の娘。わがままいっぱいに育ち、怖いもの知らずで勝気。欲しいものは必ず手に入れるお嬢ビッチといった役どころの若尾。奉公人の若者、長谷川明夫に惚れて駆け落ちを決行。いざとなると怖気付く長谷川をけしかけて家出。あとは強欲な悪人どもの手に落ち、若尾は売られ、長谷川は自滅。そのプロセスで、若尾の美しい肌に魅入られたいれずみ師に女郎蜘蛛を背中いっぱいに彫られ、彫られた後は女郎蜘蛛が乗り移ったかのように、男を食い物にするんですね。このお嬢ビッチのユニークなところは、どんな環境でも後悔は一つもなく、悪人どもを含めて支配してしまおうとするキャラ。そのためには人殺しさえ躊躇しません。
映画はテンポも良く、妖艶な若尾文子が非常に魅力的。ねっとりした妖艶さではなく、硬質の妖艶さと言えるのかな。
この映画に関して、今でも笑っちゃうメモリーがあります。映画の封切りは確か高校生だった頃で、当時ラジオの深夜放送が花盛り(だいたいが男子アナと女子アナのかけ合い)。歌をリクエストするやつです。でいろいろな宣伝が入るのですが、新作映画もそう。女子アナが、近日封切りの谷崎原作、増村監督、若尾文子主演の問題作「さしみ!」とやって男子アナが大笑い。女子アナは、すぐしどろもどろで訂正と謝罪をしてましたが、大いに笑わせてもらいました。
                      75点

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