共喰い    この映画何なんだろう 

共喰い    この映画何なんだろう 

原作は芥川賞受賞、田中慎弥の「共喰い」。未読ですが、受賞の記者会見で、確か審査員だった石原慎太郎に噛み付いた人ですよね。それで小説の解説や、賞の論評などを拾い読みしてみました。性と暴力の世界。父と子の神話的原型。グロテスクなエピソードを美しく詩的に反転。古典的なテーマでありながら、新鮮な力で読み手を引っ張るなどなど。
映画と原作が違うのは当たり前というのが持論です。ただエッセンスさえ失われていなければという条件付きですが。
映画を観て、上記のようなことは一切感じなかったです
セックス中、相手を殴ることで興奮する父親。同じ血を引いているかも知れないと悩む息子。二人の男たちに、片腕がない生みの母親、義母(父親の2度目の若い妻)、それに息子のガールフレンドと3人の女たちが絡みます。生みの母親は、DVのため離婚。義母は進行形のDVの犠牲者。殴って興奮する父親と義母のセックスの様子、息子の性体験などが、だらだらと羅列されているだけです。暴力に走る前に目つきが変わってくるというセリフがひんぱんに出てきますが、それならそういう目つきの顔だけのクローズアップをなぜ見せないんだろうと思いましたよ。
唯一、生みの母親を演じる田中裕子だけが、中年女性のちょっと疲労感があり、それでも根底に強さを持つという地方の女を見事に演じています。
田中慎弥はこの映画の出来には、噛みつかなかったのでしょうか。

                                                  50点

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