レ・ミゼラブル  LES MISERABLES 舞台に負けている

レ・ミゼラブル  LES MISERABLES 舞台に負けている

一時、レ・ミゼラブル(以下レミ)の追っかけをしていて、シドニーは勿論、ロンドン、ニューヨーク、そして香港で舞台を見ました。最も失望したのがニューヨーク版で、ファンティーヌを演じていた女優がよくなかった。歌うのではなく語りかけていたので。ハイライトソングの一つ「夢やぶれて」も、あんたの語りを聞きに来たんじゃないんだよ、歌を聞かせてくれよ、内心ブツブツ言っていました。それにしても才能がひしめきあう本場ニューヨークで何故こんな人を選んだんだろう。他の観客も同じ気持ちだったのか、カーテンコールでこの人への拍手が一番少なかったです。
映画版は、「英国王のスピーチ」でオスカー(作品賞と監督賞)を取ったトム・フーバー。オスカーを取った数年後に流行りのミュージカルを映画化する、それもイギリスの監督がというのはこれで2度目です。最初は、リチャード・アテンボロー。「ガンジー」でオスカーをゲットした後、「コーラスライン」に手を付けましたが、全くのターキー(本来は七面鳥ですが、俗語で失敗作の意味)。名ナンバーである「WHAT I DID FOR LOVE」をキャシーに歌わせるとは!
「レミ」は、あれほどひどくはないですが、舞台版より落ちます。ジャンバル・ジャンにヒュー・ジャックマン、ジャベールはラッセル・クロウ、ファンティーヌがアン・ハサウェイ、マリウスにはエディ・レッドメイン。錚々たる顔ぶれです。ジャックマンは、国内では歌もいける俳優として有名だったので、主役ぶりは合格点。歌が一番下手くそだったのが、クロウ。彼はバンドを持ってリードボーカルとして活動をしていた時代がありましたが、その時からギャーギヤーとうるさいだけと酷評されていましたよ。多分、俳優としての深みを期待してのキャスティングだと思いますが、映画に深みを与えたとは思えない。レッドメインは、ま、こんな感じでしょうというレベル。一番困ったのがハサウェイ(これでオスカー助演賞をとっていますが)。「夢やぶれて」は感情の入れ過ぎだと思いました。ここはろうろうと正統派の美しい歌い方をして欲しかった。悲しく美しい曲を、感情過多の歌いこみで、かえって歌の良さを台無しにしてしまった。そう思いました。
多分、舞台を未見の人は、それなりに楽しめると思います。

                                                     75点
             

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