映画ジャーナリスト・坂井健二の映画批評ブログ:当ブログは、劇場、TV、DVD、あるいはYOUTUBEなどで観た映画を、新旧ごちゃ混ぜで、洋画一本、邦画一本を取り上げてレビューします。

ラストナイト・イン・ソーホーLast Night In Sohoオリジナリティーが光るホラーサスペンス

久しぶりに、こんな映画見たことがないなと驚嘆しました。すぐ監督をチェックしてみると、業界では異色の才能の持ち主とかなり有名な若手、40才代のイギリスの監督エドガー・ライトでした。これまでにヒット作もあり(「ショーン・オブ・ザ・デッド」とか「ベイビー・ドライバー」など)、強みは監督だけではなく、脚本も書けることです。この映画も、原案、脚本(もう1人との共作。これはいいことですね。独りよがりになるのを避けることができます)、そして監督なので、モロ彼の映画と言っていいのでは。地方に住むデザイナー志望の若い女性が(第六感を持つ)、ロンドンのデザイナー学校に入学。寄宿舎の同居人の奔放なのにうんざりして、ソーホー(言ってみれば新宿のような所)にある家の屋根裏部屋のような所に下宿を始めると、60年代のソーホーに、何度も何度もスリップしてしまうんですね。そこで関わるのが、歌手志望の若い女性。2人の女性がたどる恐怖の物語。簡単に言えば、リベンジホラーですが、こんなシーンはどう頭をひねれば出てくるんだろう思わせる斬新な構図。恐怖感を盛り上げる舌をまくようなイメージ。圧倒されました。60年代のイギリスポップスの大ヒット曲、ダウンタウン(ペトゥラ・クラーク)、ユーアーマイワールド(セシラ・ブラック)が効果的に使われています。
女優2人、トーマシン・マッケンジーとアニャ・テイラー=ジョイは互角の熱演。デザイナー志望の母親としてリタ・トゥシハム。懐かしい!「蜜の味」や「ドクトル・ジバゴ」などに出ていた、独特の容貌が忘れられない女優。骨と皮だけみたいに痩せ細っていますが、容貌は変わらない、下宿の家主がダイアナ・リグ。60年代を代表するイギリスの美人女優。「女王陛下の007」でボンドガールを演じたことで有名。残念ながらこれが遺作となりました。ただ、この映画見方によっては、彼女が主演と言えるもので、立派な遺作になったのではないでしょうか。
        80点

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