映画ジャーナリスト・坂井健二の映画批評ブログ:当ブログは、劇場、TV、DVD、あるいはYOUTUBEなどで観た映画を、新旧ごちゃ混ぜで、洋画一本、邦画一本を取り上げてレビューします。

ベニスに死すDeath In Veniceルキノ・ヴィスコンティ監督の代表作

 

 

最初に見たのは全くのガキの頃で、見て思ったのは、いつか必ず行くつもりの美しい水の都ベニスも汚い場所があるんだなということと、世界一の美少年と言う触れ込みのビョルン・アンデレセンは永遠の若大将の嫁さん松本めぐみ に似てるじゃんという、とんでもないトンチンカンな感想でした。監督ごめんなさい。次に見たのは、30歳を前にした頃で。その時は圧倒的な映画の完成度にひれ伏しました。パーフェクトな映像美、ドラマの強さ、これが映画がザ芸術に昇華した稀な例と感動しました。アンデレセンの息を呑むような美しさ。イタリアを代表する美女で大女優のシルヴァーナ・マンガーノ(母親役)も側に並ぶと色褪せるほど。作曲家マーラをモデルにしたトーマス・マンの原作を元に映画化されたもの。老い、芸術的なインスピレーションを得ようとベニスに来た作曲家(ダーク・ボガード)が若さと美の象徴のような少年タージオに出会い、コレラが蔓延するベニスで、どこまでも少年を追い、最後には死んで行くストーリー。ラスト、海でタージオが太陽の光を浴びながらポーズを決め、それを目の当たりした男はその場で絶命するんですが、黒い白髪染めが横顔に流れ落ちてるカットは老醜と言えるものかもしれないですが、ここで個人的には作曲家はベニスに来た目的は果たした、そう思いました。そうそう、後年コモ湖を訪れた時、ヴィスコンティの別荘があり、見学可能と知り、早速行ってきました。湖畔にある別荘は意外にも近代的で明るい建物で、寝室にはヘルムト・バーガーのー写真が立てられていました。

     90点

 

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