26 Oct ヘルタースケルター 沢尻エリカが綺麗なだけの映画
監督は蜷川実花。父親は泣く子も黙る灰皿投げで有名な演出家の蜷川幸雄。父親の遺伝子を引き継いでいるといえるんでしょうね。この人の「さくらん」を観ましたが、正直つまらなかった。ハデハデの色彩が目を引くだけで、ドラマの中身がない映画だと思いました。で、この映画も、ほとんど同じ感想。原作は漫画。
上から下まで整形で美女に変貌した女性の自滅がストーリーなんでしょうが、展開が垢抜けてなく、監督の意図が定まってないのか、だらだらと場面が変わって行くだけ。念の為、原作の漫画の要旨をチェックすると、かなりおどおどろしくて、興味深いのに。
写真家が本職という割には、画面が洗練されていなく、きつい言葉で言うと汚い。それから、美と醜の対比に、沢尻の横に、本当に不細工な少女を並べるのは悪趣味。特にここは、沢尻は整形で作った人工美、その含みを暗示するべきところ、そんなニュアンスは全くなし。そうそう手術台に横たわる沢尻の顔にメスが入る時、彼女は顔をしかめるけれど、アホ、麻酔なしで手術をやってるのかと思いましたよ。出演女優は、一流どころ。桃井かおりは、スクリーン上でも桃井かおり。寺島しのぶは、時々観ていて気恥ずかしくなるような演技。唯一の救いは、沢尻エリカ。美しいしダイナミックな演技。強力な磁気を持つ女優と言えるのでは。ドラッグでしくじって現在はリタイヤですが、将来必ず復帰すると信じていますよ。これだけの美貌とパワーを持つ女優はそうゴロゴロとは居ない。このまま消えたら、日本映画界の大きな損失ではないでしょうか。
55点
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