映画ジャーナリスト・坂井健二の映画批評ブログ:当ブログは、劇場、TV、DVD、あるいはYOUTUBEなどで観た映画を、新旧ごちゃ混ぜで、洋画一本、邦画一本を取り上げてレビューします。

ヒマラヤ杉に降る雪 Snow Falling On Cedars 監督と主演男優の力不足が惜しい

 

 

ベストセラー小説の映画化です。戦争を挟んで、白人の少年と日系の少女の実らなかったファーストラブがまずあり、大人になった二人は(イーサン・ホークと工藤夕貴)、女性の日系である夫が殺人事件の犯人として逮捕されたことで、再び向かい合うことになるんですね。この謎解きが、かなりの部分を占めていますが、個人的には、それはあまりアピールせず、ホーカスは愛しあっていながら、どうにもならなかった愛のドラマだと思いました。それにしては、ホークが弱い。ラストシーン、夫は無罪になり(ホークが決め手となる証拠を掴んだことで)、二人は決別するのですが、雪が降る中、ホークが背中を見せて歩く姿で終わります。ここは、背中に男の哀感を見せて欲しかった。ホークは残念ながら、そういうことが出来る演技派ではない。それと監督は「シャイン」が素晴らしかったオージーのスコット・ヒックス。「シャイン」では、観客を感動させるツボを心得ているような名監督ぶりが、ここではかなり平板。封切り当時、アメリカの有名批評家が「ヒックスは、小説のストーリーに従い撮ればいいものを、小説と競争するがごとくの演出で失敗」と言っていましたが、正直言って意味が分からん。工藤は、当時国際舞台で勝負できる唯一の日本人俳優でしたが、この難しい役を英語力を含めて、頑張っていたと思います。

       65点

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