ナインチンゲール   The Ninechingale パワフルな最新の豪映画 - Kenjis Movie Review
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ナインチンゲール   The Ninechingale パワフルな最新の豪映画

2018年の作品ですが、こんな力作があったとは!カンタス航空に乗っていた時、エンタメのチャンネルをチェックすると、オーストラリア映画の項があったんですね。へーと思い見てみると、新作からクラシックのものまで、かなり充実したラインでした。新作でナインチンゲールというのがあり、あらすじを見てみると、植民地時代、アイルランドから盗みの罪で送られてきた女囚の話というのが興味を引きました。植民地時代を扱った豪映画はかなりあり、その中には秀作もありますが、女囚のストーリーは珍しいなと思い、早速観ると、これが何とパワフルな、暴力的とも言える、衝撃作でしたね。
盗みの罪で、オーストラリアへ送られた女性。将官にこき使われ、性奴隷として慰みものに。同じ囚人の夫とのあいだに生まれたばかりの赤ちゃんも居て、地獄の日常から何とか逃げ出せないかと願っています。ところが、ある日、些細なことで夫が将官にたてをついたため銃殺され、赤ちゃんまで虐殺されます。
激しいリベンジストーリーで、原住民アボリジニの青年をガイドにして、将官をどこまでもどもこまでも追っていくのがメインの物語。場所はタスマニア。タスマニアは、生存していたアボリジニが全員虐殺されてしまうという凄まじい暗黒の歴史があるんですが、それにも触れています。
監督と脚本は女性ですが、非常にリアルなタッチで脱帽。主人公の新人女優も熱演です。こういう映画は終わり方が難しいのですが、納得のいくビターな、それでも微かな希望がるあることを示唆しているのが素晴らしい。
一番の不幸は、こういう映画が話題にもならず通過していることですね。全く気づかなかったというのは、ロードショーとして劇場にかからなかっということでしょう。カンタス航空の機内でしか見られないというのが、つくづく残念。
それからタイトルのナインチンゲールがどこからきているのか分からないです。あの白衣の天使ですが、女囚は歌がうまく将官たちのエンタメに歌ったりし、1人の将官の慰み者でもあるので、皮肉を込めたタイトルなのかもしれません。                              80点

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