ジョジョ・ラビット  Jojo Rabbit 一味違うヒトラー政権下のドラマ

ジョジョ・ラビット  Jojo Rabbit 一味違うヒトラー政権下のドラマ

つくづく思うのは、ヒトラー時代のユダヤ人のドラマ、殆どがホラコーストですが、もう全てのタイプを見尽くしたと思っていても、いつも違うアングルで撮った新作が出てくるんですね。考えてみると6ミリオンのユダヤ人が虐殺された訳で、そこには6ミリオンのドラマがあるはずで、当たり前のことかもしれないです。それに引き換えて、日本で広島、長崎での原爆に関わる
映画が極端に少ないです。ベテラン監督による秀作(「黒い雨」や「母と暮らせば」など)は、ときたまありますが、若手の監督によるものは皆無です。勿論映画が商業である限り、儲けて官軍で、損して賊なので、そういう映画にお金を引っ張ってくるのが至難の技だというのは分かりますが。
で、この映画はヒトラー命のドイツ人の少年のドラマ。いわゆる、imaginary friend 空想の友達がヒトラーだというのも意表をついています。父親は戦場に出たっきり消息不明、姉は死亡しており、母親(スカーレット・ヨハンセン)と二人暮らし。母親は地下運動に加わっており、ユダヤ人の少女を少年には内緒で、家にかくまっているんですね。
全体のトーンはコメディですが、時折戦争の恐怖シーンを挿入することも忘れず、バランスを取っています。少年とユダヤ人少女との交流も見どころの一つで、ユダヤ人が普通の人間だということを学び、最後に、fuck off!と“ヒトラー”を足蹴りにして訣別します。少年がとてもうまい。キャピキャピ・ギャル(「ルーシー」など)だと思っていたヨハンセンが、もう母親役をやる時代なんですね。彼女は儲け役。監督は、ニュージーランド出身だそうですが、ヒトラー役も本人だそうです。監督だけでなく、俳優としてもいけます。
                    80点

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