映画ジャーナリスト・坂井健二の映画批評ブログ:当ブログは、劇場、TV、DVD、あるいはYOUTUBEなどで観た映画を、新旧ごちゃ混ぜで、洋画一本、邦画一本を取り上げてレビューします。

クリーピー 偽りの隣人 支離滅裂なサイコパス・サスペンス

この映画の監督黒澤清の名前は見覚えがあったので、調べて見ると、国内外で数々の重要な賞を取っている実力派なんですね。それにしては、この映画はひどい。脚本も、女性の脚本家と共同で関わっています。隣人(香川照之)がサイコパスで、彼に翻弄され、破壊や殺人が起きるドラマ。オープニングは、ま、こんなものでしょうと許せるとしても、夫婦(西島秀俊と竹内結子)が、香川の隣に引っ越してきてからのドラはメチャクチャ。竹内が、引っ越しの挨拶に行くと、香川は非常に不愉快な態度。ま、今どき、色々と変わった人間が生息する時代なので、こんな輩も居るでしょうと納得。ところが、香川のおっさん、竹内の顔にくっ付くようなところまで近付き、「俺と、あんたのダンナ、どっちが魅力的?」と、のたまうんですね。竹内さん、こんなことを言う男に再び会いに行ったり、親しくしたりします?この映画のキャッチは、6年前ある家族は1人の娘を残し行方不明とか、隣の少女があの男は本当の父親ではないと叫ぶとか、へぇー面白そうと思わせるのですが。香川は定評のある演技派。それにしては、サイコパスの怖さなど、微塵も感じられない。癇癪持ちのおっさんという感じ。西島は元警察官で、後輩の不倫プリンス東出昌大を手伝い、東出は失踪した家族の死体を家族が住んでいた家の隣家で見つけるんですが、耐えられない異臭があるはずで、近所の住民はずっと前に異変に気づいているはず。1人だけ残った娘。当時警察やメディアにもみくちゃにされ、すべてをシャットダウンしているのに、西島だけには応じるのは都合のいい脚本の流れ。西島は犯人は香川と思っているものの、ここは確証なしで
尻切れトンボ。で、東出は遂に香川の正体を突き止めるのですが、香川にやられ、隣の住民2人と一緒に、焼き殺されるんですね。隣には、意地の悪そうなオバンが住んでいるんですが、香川さんどうやってガスが3か所で爆発するよう仕組んだの?オバンは香川を毛嫌いしており、家には上げないでしょう。この映画、香川が2、3度会っただけの人間を洗脳してしまう魔力を持ってる男としてみれば、大体辻褄が合うのですが、アホくさ。西島は、硬派の演技。彼を初めてスクリーンで見たのは「蔵」という映画。爽やかな新人登場という印象を持ちました。ただ宮尾登美子原作のこの映画で、一番印象に残ったのは賞を取った浅野ゆう子ではなく、松方弘樹。誠実で大きな演技に打たれ、クレジットで製作にも加わっていることを知り、ますます株が上がりました。
                  50点

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