
27 Jan キューポラのある街 吉永小百合サマが国民的な大女優への第一歩となった作品
浦山桐郎監督のデビューとなった映画で、サユリサマの出世作です。鋳物で有名だった川口市の下町を舞台にした青春ドラマ。キューポラとは溶解炉のことだそうです。鋳物工場で働く父親(東野英治郎)を持つ貧しい家庭の娘がサユリサマ。多感な中学生で、貧乏に向き合いながら、くじけそうにもなりますが、負けずに前を向いて生きようと決心する少女を、はつらつと演じています。ニアレイプや初潮や、母親の女の部分を嫌悪など、複雑なシーンも気負いなくこなしています。
吉永小百合さんにインタビューした際、監督に私の家も貧乏だったのでジュン(少女の名前)の気持ちはよくわかると言うと、山手の貧乏と下町の貧乏は違うと叱られたと教えてくれました。監督の言い分もよくわかります。貧しい家の中のサユリサマが.掃き溜めの鶴のように映ったのも本当。
この映画は北朝鮮へ帰る人たちも扱っていますが、劇場で観たときは感じなかったですが、テレビなどで再見の際、誇大宣伝に騙されて帰った人たちは、そして苦難の生活を強いられたのだなと思い、感慨深いものがありました。
それから労働組合のこともきっちりと描かれています。時代の様相を取り込んだ青春映画の佳作。
それから弟役の市川好郎も話題になりました。ブサイク系ですが名脇役として。演技だけで勝負できる俳優として長い活躍が期待されましたが、残念ながら早逝しています。
サユリサマはこれでブルーリボン主演女優賞をゲット。この年は、「秋津温泉」の岡田茉莉子が各賞を総ナメにしたんですが、当時は一番権威のある賞といわれていたブルーリボン賞だけは、サユリサマに持って行かれたカタチです。サユリサマに賞のことを聞くと、「会社から受賞を聞きましたが、それだけです。何も変化したことはなかったです」と淡々とした反応でした。
蛇足ですが、これも劇場で観たときは感じなかったのですが、後で観たとき、サユリサマは、男の子のように走るんだと思いました。豪快な走り方です。
80点
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