
11 Oct ひばりのおしゃれ狂女 楽しめるリベンジ時代劇
美空ひばりは、勿論日本歌謡史の女王。これは、これからも変わらない。そして女優としても、稀代の演技派とは言いませんが、プロだと思います。多くは,歌謡映画ですが、中には演技だけで勝負した作品もあります。「たけくらべ」とか「千姫と秀頼(中村錦之助共演)」とか。これも劇中歌いますが、ヒット曲ではなく鼻歌のようなものなので、歌手ではなく女優として主演した映画と言っていいのでは。江戸時代、豪商の父親の不審な死。その死体を見て、ひばりちゃんは発狂するんですね。あとは、綺麗な振袖の裾をひきづって、あっちへ行ったりこっちへ行ったりして、みんなからおしゃれ狂女と呼ばれます。これは芝居で、死の真相をつかもうと、狂女の振りをして探っているんです。そういう時代劇です。勿論最後には犯人を突き止め、仇討ちを果たします。綺麗な振袖姿のひばりちゃんは、とても可愛いですよ。共演は、当時の人気スター、高田浩吉とか渋目の2枚目水島道太郎、小林旭の奥さんの青山京子、ここまで書いて、これはひばりちゃんがまだアキラと結婚してないころで、将来アキラの奥さんとなる二人は、ここでつながっていたんだと、少し感慨深いものがあります。それに弟の香山武彦もでています。エンタメのリベンジ時代劇として及第点の作品。個人的には、ひばりちゃんのどの映画よりも、錦ちゃんが本当に愛した女性が、ひばりちゃんだったというドラマの方が胸に沁みます。なぜ愛は実らなかったのか。錦ちゃんの母親が大反対したからだそうです。
70点
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