ひとりぼっちの青春  They Shoot Horses,Don’t They? ジェーン・フォンダが演技派へのイメチェンに成功した映画

ひとりぼっちの青春  They Shoot Horses,Don’t They? ジェーン・フォンダが演技派へのイメチェンに成功した映画

名優へンリー・フォンダの娘として、親の七光りで映画デビュー。フランス人の監督ロジャー・ヴァデイムと電撃結婚後は、フランスに住み、妖艶女優に変貌し、ヴァデイム監督の作品で(「バーバレラ」や「獲物の分け前」など」)でお茶を濁していたフォンダが、離婚後ハリウッドに戻り撮った作品。救いようのない絶望的な映画ながら、監督、俳優が渾身の力を絞った力作。多くのオスカー・ノミネーションを出しました。
1938年、アメリカは大不況の頃、マラソンダンスという過酷なレースが生まれたんですね。眠らずぶっ続けで踊り通し、最後に残ったものが勝ちで賞金をもらえるというもの。これに参加する人間たちの群像ドラマ。
女優志願だったシニカルなフォンダは、パートナーが病気でアウト。流れで彼女と組むのが気のいい青年マイケル・サザラン。B級女優のスザンナ・ヨークは発狂。年のサバを読み参加したレッド・バトンズ(「ポサイドン・アドベンチャー」に出てました)は、心臓麻痺を起こして死亡。臨月間近でも踊り続けるカップル(ブルース・ダーンとボニー・デボリア)。レースのオーガナイザーがギグ・ヤング(オスカー助演賞をゲット)。
原作はホレス・マッコイによるアメリカ文学のクラシック「廃馬は撃つ」で、廃馬は絶望的な人間のことです。ダンスの間のエンタメとして、参加者は、競歩のようなレースに挑まなければならなく、そして最後から何番目までは全員が失格。一番心に刻まれたシーンはそのレースのシーンで、心臓発作をおこしたバトンズを背にしょったフォンダが、目をむいて必死でゴールに向かうシーンです。スローモーションを上手く入れて、心が痛くなるような壮絶なシーン。
このマラソンダンスには、もちろん観客が居る訳で、それがオーガナイザーの収益になっている次第。他人の不幸は蜜の味と言ったのは、確か芥川龍之介だったと思いますが、廃馬たちを見ることで優越感を感じる観客たちの残酷さもシャープに切り取っています。
フォンダはこれで七光りを返上し,演技派として認められ、ハリッドを代表する大女優の階段を駆け上がる第一歩となりました。
                       85点

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