
13 Jul 侍タイムスリッパー 大ヒットになったインディ系のコメディ
去年、この映画が話題になった時、思い出したのが、4、5年前に同じくインディ系で大ヒットとなった映画「カメ止め(カメラを止めるな!)」ですね。2本とも、最初1館で上映していたものが火が付き、全国で上映されるようになりヒットとなった作品。カメ止めが映画への愛で溢れていたのに対して、この映画は時代劇への愛を感じるものです。制作費数千万円で10億円以上の興行成績は、自慢していいヒット作ですが、因みに「カメ止め」をみると、数百万円の制作費でなんと30億円以上の興行成績。「カメ止め」が社会現象になったのも納得。タイムスリップを取り入れた作品。幕末の京都で、長州の藩士を討てと命令された会津藩士(山口馬木也)が、チャンバラをやっている際、雷鳴に打たれ現代の京都の撮影所にタイムスリップ。ちょうど時代劇の撮影中で、山口さんは、タイムスリップに気付かず、トンチンカンな画面が続き、まず笑わせてくれます。ようやく事情がわかり、時代劇の斬られ役で重宝されるんですね。この映画の特色は、アンサンブルの良さ。下宿することになる家の中年カップル、助監督の女性、スター俳優、監督など、全ての出演者に、いい時代劇を作ろうとする熱意が溢れ、それもツーマッチにならない程度に、最後まで気持ちよく楽しめました。山口馬木也(初めての主演作だそうです)という俳優は全く知識がなく、調べてみると、無名じゃありません。脇役ですが、かなりの作品に出ています。渋いイケオヤジです。今後の活躍がと言いたいところ、例えば「カメ止め」の主演者、こちらは普通のおっさんですが、その後パッとしないのを見ると、日本では中年で脚光を浴びた俳優が以降大活躍するのは、容易ではないのかもしれない。何せアイドル系の若手が重宝される日本映画界ですので。
70点
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