追憶   The Way We Were ビタースイートなラブストーリーの最高作 - Kenjis Movie Review
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追憶   The Way We Were ビタースイートなラブストーリーの最高作

本国では超スーパースターでありながら、日本ではイマイチ人気が湧かないスターというのが居ます。何せ、日本では男はイケメン、女は美人か可愛いタイプでないと受けないんですよね。バーブラ・ストレイサンドはその典型的な例。女優として歌手とて、右に並ぶ者がないくらいの超A級スターですが、大きな鉤鼻の美人とは程遠い面相で、日本では玄人好みのスターと言えるのでは。この追憶は、日本人の観客に多分初めてストレイサンドが受け入れられた映画ではないのかな。何度もリバイバル・ロードショーされました。もしかして、人気の秘密は相手役の、当時はイケメン・ナンバーワンだったロバート・レッドフォードだったのかも知れないですが。
主義に生きた女性、社会と妥協し安泰な生活を手にした男性の愛と別れの物語。大学時代、月とスッポンの2人、ストレイサンドは学生運動に没頭する苦学生。レッドフォードはスポーツ万能、文学的なセンスもあるエリート学生。共通点は何もない2人が、偶然に出会い愛し結婚するものの、生き方の違いから子供をもうけたにもかかわらず別離へ。ストレイサンドにはとても似合った役ですが、レッドフォードはある意味ダメ男で、ようこんな役引き受けましたなと思いました。
何と言っても、ラストシーンが泣けます。ニューヨークのセントラパークの真正面にあるプラザホテル。パークで相変わらず署名を呼びかける(何のためのものか忘れました)ストレイサンド。ホテルの玄関でタクシーに乗り込もうとする美人の奥さんを連れたレッドフォード。2人は目を合わせ、寄り添い抱き合って再会を喜びます。そして短い会話を交わした後、別々の道へ。ストレイサンドがレッドフォードをまだ愛していることは明白です。愛よりも主義を選んだ女性。そして、名曲追憶のテーマがかぶさり映画は終わるんですね。
ちなみに、90年代ストレイサンドはシドニーで公演を持ち、もちろん駆けつけましたが、追憶のイントロが流れ始めると聴衆がどよめきました。みんなこの曲を聴きたいんですね。公演自体は、ピークを過ぎたストレイサンドだなと感じたのですが、いやいやストレイサンドの生の歌を聴いたと言うことに意義があるんだと自分を慰めました。
                        85点

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