21 Mar 楢山節考巨匠木下恵介監督作品(1958)
前に、本当は怖い童話というのが流行りましたが、これは本当は怖い民話なのかなと思ったりしました。怖い民話いうより、哀しい民話という方がピッタリくるのかもしれない。深沢七郎の衝撃的な小説「楢山節考」の映画化。本は恥ずかしながら未読なので、あれこれ言えないのですが、映画で見る限り、見終わった後、内容にも関わらずポエジーを感じられ感動しました。ある小さな貧しい村には、掟があって、70歳になると、楢山へ捨てられてしまうんですね。70歳になったおりん婆さんの話です。全てセットで、まるで舞台劇のような構成。語り部に邦楽を使っっているのも効果的。おりんを演じる、田中絹代が素晴らしいです。全てを許容し、淡々と楢山へ、息子に背負われ行く姿は感動的です。息子役の高橋貞二、その妻に望月優子、ともに好演。よって、親子の情愛も実感できます。映画は、おりん婆さんとは対照的な、生に執着し楢山行きを拒否する男の老人も描きますが、死を静かに受け入れる老人、生に固執する老人、どちらもマルだと思いました。
85点
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