28 Jun 東京交差点 期待外れのオムニバス映画
独立プロの巨匠新藤兼人が関わっているので大いに期待したのですが。彼の元で助監督として働いてきた3人が監督し、3話からなるオムニバス。あるマンションを舞台にそこに住む人たちのドラマが展開されます。ハナ肇がマンションの管理人として3話共に顔を見せ、アクセントに。1話は突っ張り少女、2話は介護を要する老夫婦、3話は、母親に見放された3人の子供たち。ま、いちばんましなのが1話。少女が、会社のタテ構造でダメになってしまった中年のおっさんを蘇生させる話。少女があまり可愛くないのがマル。よって突っ張りぶりもドスが効いています。2話は後味の悪いドラマ。同居する親孝行の娘(すでに妊娠4ヶ月目)の結婚の邪魔になっていると知った老夫婦が自殺するんですね。それを知った娘は号泣。ところがエンディングは、お腹の膨らみから両親を亡くして数ヶ月ぐらいだと思いますが、夫とでれでれと街を歩いてるんです。おネエちゃんよ、あんたの親への想いはその程度なの。3話は出てくる大人が、みんなアホ。特にキモいのが、福祉関係の男。母親の写真を見て、女は30代が一番いい時期なんだという場違いなコメント。最後に子供たちに、母親は一週間ぐらいで出てくると思うからマンションで待っていてもいいんだよという低能ぶり。500万円を盗んで逮捕された母親が、1週間程度で出てこれるわけないじゃん。それに子供たちは、ここ数ヶ月パンやお菓子やジュースで飢えをしのんでいて栄養失調なのは必至。センター(孤児院なんて死語なんですね)でキチンとした食事を取るのが大切でしょ。母が出てきたらセンターへ迎えにきてくれればいいと言い切った長男が一番まとも。最後はオチもありますが、一生懸命考えた机上の論理で、実感の希薄な作品だと思いました。
60点
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