20 Aug ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド Once Upon a Time in Hollywood タランティーノの最新作
贔屓のクエンティン・タランティーノ監督の、待ちに待った最新作。タイトルは昔ハリウッドでですが、60年代のハリウッドで起きたドラマを、タランティーノは愛と郷愁をこめて、フィクションの世界を作り上げました。
主なドラマは二つあり、一つは、クリント・イーストウッドを彷彿とさせる、そこそこテレビなどで有名なスター(レオナルド・ディカプリオ)と彼のスタントマン(ブラッド・ピット)のドラマ。もう一つは、28歳の若さで、チャールズ・マンソンギヤングに惨殺された妊娠中だった美人女優シャロン・テートの話。彼女たちが襲われた高台の家のすぐ下の家に、ディカプリオが住んでいるという設定です。’
ディカプリオの作品制作中に起きるドラマが殆どを占めますが、彼らが主演スターなので仕方がないとはいえ、もう少しテートの部分を見たい思いましたね。それと、タランティーノの売りは、スピーディなペースの中で、お得意の強烈なバイオレンスシーンで度肝を抜き、ギョッと驚かせてくれたり笑わせてくれたりしながら、映画の本質を頭に叩き込んでくれる監督として崇拝しているのですが、この映画、ディカプリオの特に、映画の中の映画作りのシーン、少しだけ、ペースがスローではと思った部分がありました。もちろん、だからと言って、退屈するなんてことはなかったですが。ディカプリオとからむ子役の少女がびっくりするような美少女。これはもしかしたらブルック・シールズのイメージを借りてきたのでは?世界一の美少女と謳われていたシールズを2回インタビューしましたが、最初のインタビュー、確か12、3歳の頃だったと思います。あまりの美しさに、テープレコーダーを持つ手が震えたのを、今でも覚えています。
テートを演じるのは今が旬のハリウッドの売れっ子、オージー女優マーゴット・ロビー。ここではあっさりした扱いです。テートと当時の夫であったロマン・ポランスキー監督が馳せ参じた、フェフナーのプレイボーイマンションの乱痴気騒ぎのパーティも、この時代の風俗ですね。今だと例のミーツームーブメントから、女を男のおもちゃ扱いにするとは許せないと槍玉に上がっていると思います。このパーティに出てくる、スティーブ・マックイーンがそっくりさんで笑っちゃいました。それから、ブルース・リーの扱いは、ファンから文句が出そう。
ディカプリオとブラピは、共に好演。ロビーも素直な演技で好感が持てます。ラストは、イングロリアス・バスターズと同じ激しいリベンジで終わります。
これは、全く個人的な感想ですが、この映画は、テートへのタレンティーノによる鎮魂歌だと思いました。
75点
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