19 May ノマドランドNomadlandオスカ−3冠王に輝く
3冠王は、作品賞、監督賞、女優賞です。フランシス・マクドーマンドが女優賞を取ったことには何の文句もないですが、作品賞、監督賞もさらっていくほどの映画かなと思ったのも事実。いい映画です。それは間違いない。最初からドキュメンタリーのようなタッチで、家も夫も失った60代の女性が、キャンピングカーに生活用具を全て詰め込んで、車上生活をするドラマです。ノマドとは遊牧民の意味だそうで、彼女のような人は、現代の遊牧民呼ばれ、女性ジャーナリストが取材し本にまとめたものを映画化したもの。タイトルは直訳すれば遊牧民の土地とでも言えるのかな。ノマドに関して色々なことを教えてくれる映画で、若者のノマドも珍しくないんですね。それと車であっちへ行ったりこっちへ行ったりと遊牧するだけではなく、仕事もきちんとしてるんですね。季節労働者のような感じで、アマゾンの梱包をしたり、キッチンハンドをしたりで。もちろん食べていくためには稼がなければいけないので、当たり前ですが。健康を危惧する時は、もちろん病院へも行きます。仲間たちの交流、横のつながりだってあります。言い換えると社会から孤立してなく生活をきちんとしてるんですね。特にお金に関して非常に厳しい生活ですが。監督は女性の中国系アメリカ人ですが、彼女はこの作品で何を訴えようとしたのか考えてみました。個人的には、主人公は、「生きる」ために、ノマドになったのかなと思いました。ノマドは生きる証。だから充実した人生というのではなく、ラストシーン、次の場所へ移動する彼女の横顔は孤独です。一つ閉口したのは、これまで女優さんがオシッコをするのは映画でよく見ましたが、マクドーマンドは、前代未聞、大のほうをするんですね。これ必要だったのかな。リアリズムだと思いますが、こんなシーンがなくても十分リアリズムは発揮しています。
80点
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