06 Dec ナポレオンNapoleon壮大な映画だが心には響かない
ナポレオンに関しては、これまで何度も映画化されました。新作は、監督がリドリー・スコットで、ナポレオンを演じるのは、ホアキン・フェニックス。一軍人でしかなかったンポレオンが、フランス革命後の混乱時、さまざまな駆け引きで、皇帝にまで上り詰める過程と、有名な妻ジョゼフィーヌと愛のドラマが、大型画面で展開します。これまで知られていなかったナポレオンの側面を描くんです。戦いのスタートの怒号をあげる際、身体がぶるぶる震えていて、あれかなりの臆病者だったのと観客に思わさせるんですね。あるいはよく泣き涙を落とすシーンを繰り返し、なんだ泣き虫だったんだと納得させるとか、ナポレオンも人の子というのを表現したのでしょう。戦いのシーンは壮大で見応えがあります。へぇーと思ったのは、ナポレオンが敗れた最後の戦い、ウオータールーの戦場での大英帝国の戦い方。大英帝国側は、戦士が何十人も集まり変形型の輪を多く作りそこから一歩も出ず、対戦するんですが、このやり方は何と言うんだろう。最後は、流されたセントヘレナの島で亡くなります。この映画も長尺で退屈はしなかったですが、感動するほどではなかったです。スコットの名作、ラッセル・クロウの「グラディエーター(フェニックスも出演)」のラストシーン、クローが故郷の妻と子供の元へ帰る幻想シーンでは涙がこぼれましたが、この映画のラストシーン、ナポレオンが背中を見せながら崩れおちるシーンでは、ああそう、ナポレオンはこうして亡くなったのかという即物的な感慨しか胸に浮かばなかったです。
70点
Sorry, the comment form is closed at this time.