ザ・キーパー  The Keeper 50年代に大活躍したサッカーのレジャンド、バート・トラウトマンの自伝映画 - Kenjis Movie Review
2010
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ザ・キーパー  The Keeper 50年代に大活躍したサッカーのレジャンド、バート・トラウトマンの自伝映画

 

 

 

多分、サッカー狂の人なら知っているかもしれない。元ナチス・ドイツの兵隊で、戦後イギリスのマンチェスター・シティクラブの名ゴールキーパーとして名を馳せたトラウトマン。

彼は、イギリス軍に捕らえられランカシャ州の捕虜収容所へ。そこで捕虜たちの娯楽としてサッカーに興じていた際、その実力を認められるんですね。戦争が終わり、ドイツへの送還を拒否し、州に残り、州のセント・ヘレンズというローカルのクラブで選手になり、名キーパーとして名声が全国的に広まり、ついには名門マンチェスター・シティから声がかかります。その間にセント・へレンズのボスの娘と恋に落ち結婚。そして男児が誕生というプライベートライフ。が、元ナチスという事で、ユダヤ人協会を先頭に総スカンを食うんです。それも彼の活躍で次第に流れが変わっていきます。

映画は、大戦の現場からスタートし、語り草になっている56年FAカップ決勝(相手の激しいタックルで首が折れていたのにもかかわらず、プレイを続行し優勝に導いた)をハイライトに実写も混じえ、彼のサッカー人生と、それと並行し、一人息子を車の事故で亡くした後の苦悩、妻との意志不通など、それにナチス時代、他の兵隊がユダヤの少年を銃殺するのを止めることができなかったという負い目、それがトラウマになり、何度もフラッシュバックとしてよみがえるという、彼の内面を描きます。

小品ながら、コンパクトにまとまった映画で、感動を呼びます。

ラストは、妻との間に二人の子供をもうけ、妻が先に逝き、クラウトマンは2013年に89歳で没と説明がありますが、現実はそれ程シンプルでクリーンではなかったようです。実際は二人は離婚し、おまけに彼は、その前にパートナーが居て、女児がすでに居てたんですね。そのパートナーとよりが戻ったのですが、結局これも離婚。そして3人目の妻に看取られたようです。

演じるのはドイツの俳優、デビッド・クロス。売り出し中の若手です。日本人にはまだまだ無名ですが、ケイト・ウィンスレットがオスカーを取った「愛を読む人」でケイトと恋に落ちる少年と言えば、思いあたる人もいる筈。

                                          75点

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