09 Apr ある男 期待大だっただけに失望も大
日本のアカデミー賞でほとんどの賞を総なめにし、平野啓一郎の小説の映画化。映画のキャッチが、亡くなった夫は一体誰だったのかとくれば、大いに食指を誘われるのではないでしょうか。年末から年始にかけて日本にステイする機会があり、その時NETFREXでこれを見つけ小躍りしました。大きな期待を持って見ましたが、なんだこの程度の映画なのかと失望したというのが本音です。小説は未読なので比較する術はないですが、ある男(窪田正孝・好演)がある村にふらりとやって来て、離婚女性(安藤サクラ)と恋に落ち家庭を作るんですが、男は事故死。男の故郷に連絡し葬式に駆けつけた兄が、遺影を見てこれな自分の弟でないと公言し、その謎を解こうと弁護士(妻夫木聡)が色々と動くのが表面のドラマ。戸籍交換業と言う存在には興味を持ちましtが、弁護士の行為に、これはないんじゃないというのが2シーン。1つは、兄と離婚女性と3人で話し合い中、兄が失礼な言葉を口にすると、弁護士は突然書類をテーブルに叩きつけるんですね。妻置きが、気の短い熱血キャラとして描かれているならまだしも、最初から柔和で落ち着いた人格描写で、その上に職業柄から考えても不自然。2つ目は、妻置き(彼自身がコーリアン)がテレビでコーリアンへのヘイト運動を見ている際、遊んでいた息子のボールが飛んできてテーブルの上のグラスを壊したことで、息子を怒鳴って叱りつけるんです。彼の鬱積した心情を表そうとしたものだと思いますが、世の不平や不満を扱って来た弁護士がこんな愚か者たちの運動にこのように動揺するとは。ましてや子供もコーリアンの血を引いているんでしょう。最後、2人の男の背中を描いた絵から、妻夫木と窪田が向き合う幻想シーン。人間の不確実性を象徴するもの?頭にスカッと入ってこないエンデインングでした。
60点
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