06 Mar 落下の解剖学Anatomy of a Fall過大評価の映画
小品ながら、話題を集めている映画。もうすぐ分かるオスカーでも、監督賞、作品賞、主演女優賞などにノミネートされ大奮闘です。ただ見終わった感想は、どうってことのない事を、あっちでひねり、こっちでひねり、なにやら大層なものに仕上げたかったんだなというものです。山荘のような家で住んでいる家族。父親が雪の中で転落した死体として発見されます。事故か自殺、あるいは殺人かという謎解きの物語。夫妻は、二人ともライター。妻はある程度成功し仕事が継続する一方で、夫はライターブロックか何か全く書けない状態。事故で視覚障害が残った一人息子。妻が殺人容疑で逮捕され、裁判の過程でいろいろなことがフラッシュバックで暴かれるという流れ。夫婦の大喧嘩、妻の不倫(レズ不倫)、父親が間接的な責任のある事故。でも、こういうドラマは
多かれ少なかれ、どんな家族にもあることでしょう。特に、二人ともライターで、男の方がパッとしないとなると。2点、首を傾げました。一つは、検察官の無能さ。検証官は実証が全てでしょう。ところがこのボンクラ。彼女が書いた小説に似たような殺人の記述があることを、鬼の首でも取ったかのようにまくし立てるんですね。もう一つは、ネタバレは厳禁なので詳細は避けますが、一人息子の使い方。息子も裁判前に、検察側、弁護側から色々と聞かれている筈。ところが、裁判も一応終わったあと、少年は言いたいことがあると大きな告白をします。これは監督がずるいというか、ドンデン返し的なものを狙ったためのプロットでしょう。ただ最後まで退屈はしなかったです。サンドラ・ヒュラーという主演女優の力演のおかげです。
70点
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