14 Feb 縞模様のパジャマの少年The Boy in the Striped Pajamas斬新なアイディアのホラーフェイブル
つくづく思うのは、ホロコーストを扱った映画はあらゆる種類が出尽くしたと思っていても、必ず新しいアングルによるものが出てくるんですね。考えてみると、6億人のユダヤ人が虐殺されたと言うことは、6億のドラマがある訳で、当たり前なことかもしれない。これはまず小説が話題になり映画化されたものです。興味がありチェツクしてみると、アイルランド人のジョン・ボインという作家が30代の時に発表したもの。やはりと思いました。こういう斬新なアイディアは年寄りのものではないと、偏見ですが。見てすぐ思ったのは、これはホラーファイブル。ホラーの寓話だということです。映画の中で、ドイツの少年と収容所のユダヤの少年が、電気が通っている筈の鉄条網の向こうとこちらで会話を交わすようになり友情を育てていく訳ですが、こんなことはまずありえない。収容所のユダヤ人は大人だろうが子供だろうが酷使されてるはずで、こんなことをしているとドイツ兵にすぐ射殺されています。それからドイツの少年が、最後に収容所に入る際、鉄条網の下を掘って入る訳ですが、こんな程度で出入りができるのなら、多くのユダヤ人が脱出している筈。ドイツの少年に用意された縞模様のパジャマは、残酷なほどに厳しい規律の収容所でどうやって手に入れたの?目くじらを立てましたが、ホラー寓話として見ると、全てピタッと収まり、斬新な筋書きに驚嘆しました。そして寓話であっても、戦争の悲劇は十分に伝わってきます。
80点
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