02 Dec 細雪 3度目の映画化は市川崑監督によって
文豪谷崎潤一郎の名作「細雪」は、大昔最初の映画化は高峰秀子らによって、2作目もかなり前に、山本富士子や京マチ子らによって作られていて、今回で3度目の映画化です。大阪船場の旧家の美しい4人の姉妹の物語で、今回のキャストは上から、岸惠子、佐久間良子、吉永小百合、古手川祐子で、いずれがあやめかかきつばたの世界です。戦前の話で、花見とか紅葉狩りとかの優雅な日常が描かれ、三女雪子(サユリさま)の見合い話を中心にドラマが進みます。それが何なんだと言われると、それまでの話ですが、こういう本当のお金持ちの生活を覗くのは、たまにはいいのではないでしょうか。4女優はそれぞれの美しくそれぞれの役柄を熱演です。特にサユリさまは新境地を開くというか、佐久間の婿養子である石坂浩二と目を合わせるシーンは、恥ずかしながら微妙に挑発する表情で、こんな表情もできるんだとビックリしました。サユリさまにインタビューさせていただいた時、「細雪」の話になり、あのシーンが一番難しく自信がなかったのだけれど、ラッシュを見た岸惠子さんが、「小百合ちゃん、大丈夫ちゃんと出来てるわよ」と言われ胸をなでおろしたそうです。ラストシーンは、サユリさまの相手も決まり(なんと野球選手の江本孟起)、東京へ転勤となった伊丹十三(岸恵子の婿養子)一家との大阪駅での別れがあり、その後、小料理屋で日本酒を浴びるほど飲んでいる石坂(サユリさまの結婚に対するやけ酒?)のシーンに変わるのですが、え、こんな終わり方だったっけ。大昔小説は読んでいますすが、ほとんど覚えていません。ただこんなラストではなかった筈と解説を読むと(これはDVDを購入してみたもの)、名シナリオライターの和田夏十氏(市川監督夫人でもあります)が特別に書き下ろしたもので、これで映画全体がキリリとしまり云々とのこと。そうですか、こちらに理解力がないのだと思いますが、なんだ石坂は好色なおっさんかいなと思いましたよ。石坂は、美容室を営む未亡人(横山道代)とも出来てるんです。佐久間が可哀想だと思いました。下世話な感想ですみません。
70点
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