04 Jun ロケットマン Roketman エルトン・ジョンの自伝映画
「ボヘミアン・ラプソディ」が世界中でセンセーションを巻き起こし大ヒットしたので、柳の下に2匹目のどじょうを狙って今度はエルトンの話かいなと、シニカルな気持ちでいたのですが、これはこれで良くできた自伝映画でした。
エルトン・ジョンは、ミュージシャンとしては天才だと思いますが、個人的には興味なしのアーティスト。それでも 何曲かのヒットソング知っているし、スキャンダルも知っています。なので、この映画でスターになった後のトラブル、アル中、コカイン中毒、偽装結婚などは、そうこんなドラマがあったなという感じで観ましたが、少年時代の数々のエピーソードは初耳でした。父親から全く愛されなかったことや、ピアノの名手であるエルトンは、それが持って生まれた才能だったこと、あるいは売り込みで結構辛酸をなめたことなど。
成功したロックシンガーは、富と名誉を得ると、お決まりのように、酒とドラッグに溺れていくんですね。それから悪徳マネージャーというのも3点セットのようにくっついてきます。エルトンの偉いところは、もうにっちもさっちもいかなくなった時、自身で全てを放り投げて、病院へ駆け込んだことですね。
病院でのグループセラピーを軸にして、これまでを振り返るというのがこの映画の構成で、オープニングから最後までうまく出来ていると思いました。
演じるのはイギリスの若手タロン・エジャトン。名前を聞いて顔が浮かぶほどの人気スターでないですが、コリン・ファースと共演し大ヒットした「キングマン」にも出ており、今人気街道を驀進中のスターです。歌もいけます。映画はてっきりエルトンの吹き替えと思っていたんですが、なんだかすこし違う。観た後チェックすると、驚きました本人の歌唱でした。歌手としての看板を掲げることもできるんじゃないでしょうか。
「ボヘミンアン」の方が、ドラマとしては上で、重量感が違います。ただこの映画のかなりの部分がミュージカル仕立てなので、そう感じるのかも知れないです。
エルトン・ジョンには会ったことがあります。80年代のシドニー公演で、当時のマネージャーの奥さん(オージー)のべストフレンドが知人に居て、彼女のおかげで中央の席でショーを観て、終了後は楽屋に出向き握手をしてもらいました。正直にいうと、カリスマとかスーパースターとしてのオーラはまったく感じなかったです。
80点
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