16 Jan ビューティフル・マインドA Beautiful Mind一世一代の名演技ながらラッセルがオスカーをゲット出来なかった訳
「グラディエーター」で豪男優として初めてオスカーを取り、ハリウッドの頂点に登りつめたラッセル・クロウ。翌年出したのが「ビューティフル・マインド」。これはノーベル賞受賞者でもある天才数学学者ジョン・ナッシュの半生を描いたもの。研究が昂じて狂気の世界へ入ってしまう人生をロン・ハワードが監督。ナッシュを支える妻に、ジェニファー・コネリー。個人的には、最後の方、ナッシュが老人になった時のラッセルが素晴らしいと感動しました。一代記で難しいのは老年。老けのメークはしますが、姿勢、歩き方、喋り方も完璧、特に良かったのは老いの哀感させ漂わせていたことです。オスカーはラッセルで決まりと100%確信しました。2年続けての受賞という快挙を成し遂げると思っていたんですね。案の定、すべての賞で取り(作品、監督、助演女優賞も)後はオスカーを残すのみだったんです。ところがオスカーの前にある、イギリスのオスカーBAFTA賞で、ラッセルは蛮行をやらかしてしまったんですね。壇上に立った彼は、自身で作ったという詩を長々と読み始めたんです。時間切れでカットされると、賞の後、ディレクターを壁に詰め寄り「なんで俺の詩を途中で切るんだ」と、今にも殴りそうな剣幕で迫ったそうです。天狗になり舞い上がっていたんでしょう。これが瞬く間に世界中に流れハリウッドの映画人に嫌悪され、票を拒否された次第です。取ったのはデンゼル・ワシントン。彼の映画も観てますが、うまいですが、ラッセルとは比較の対象にもならないと思いました。オスカーを2年続けて取るには、絶対人格者でなければダメとあるオスカー通がいってました。その後、これがいいお灸になったのか、ユーモアもある落ち着いた俳優に変わっていきました。後年このドラマを聞かれたラッセルは、「人気投票でもろ負けてしまった」と苦笑してました。
85点
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