14 Feb パーフェクトデイズPERFECT DAYSしみじみとした秀作だが惜しい1シーン
「パリ、テキサス」や「天使の詩」などが有名なドイツの監督ヴィム・ヴェンダースによる日本映画。公衆便所の掃除夫の一日を繰り返し繰り返し淡々と描いた作品。これは役所広司でなければ成立しなかったと言えるのでは。毎日同じ時刻に起き、便所の掃除にでかけ、終えれば古アパートに帰り寝るという単調な日々の中に、いろいろなドラマをインサートしています。役所の演技力と監督の正確な目で、最後まで緊張感を持って見れます。それにしてもビックリしたのは、ストーリーとは関係ないですが、都内の公衆便所の素晴らしさ。これ近代アートじゃんと思ったほどです。役所がカンヌ映画祭で主演男優賞を取り、来月発表のオスカーでは、外国映画賞にノミネートされているのも、十分うなづけます。ただ一つ惜しいと思ったシーンがあるんですね。エンディンング近く、石川さゆりがやっている馴染みの小料理屋に顔をのぞかせると、彼女の元ダンの三浦友和が居て、軽く抱き合っているのに遭遇するんです。で、役所は慌ててドアを閉めて、その後ビールを買って川べりで飲んでいるんですが、そこへ何と三浦が来るんですね。あれ、三浦さん、役所がこんな所にいるのをどうして知ったのと思いました。特にいい年をしたおっさんたちがが影踏み遊びをするほのぼのとしたいいシーンに続くのですから。映画は最初から最後まで自然な流れが快感だっただけに、ここだけ作為的だなと。ひと工夫あっても良かったのでは。
80点
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