27 Feb カメラを止めるな! 最近の日本映画のベスト!
去年から日本映画界で台風の目となったのが、低予算のインディー系というよりは、映画学校の自主制作である「カメラを止めるな!」。300万の予算で,何と30億円を稼ぎ出しました。12人の出演者は、それぞれ12万円を出して映画に参加したとのことで、学校は商魂たくましいなと感心したのですが、別に珍しいことではないらしく、卒業記念の映画製作に皆んなで協力して作ったというノリのようです。そしてこの種の映画を限定期間で上映する映画館があり、そこにかかっていた時、大手の配給会社の人が見て気に入られたことが、大成功につながったのですね。
ネタバレには気をつければいけないなと思っていたのすが、ネットにはすでにそれが解放されていました。ゾンビ映画を、廃墟を使って製作中の一団がいます。が、そこは都市伝説として、実際にゾンビが居ると囁かれていた場所で、撮影中、本物のゾンビが・・・と皆んなが恐怖に怯え始め大混乱におちいります。実際観ていて、この辺で背筋が一瞬寒くなりました。映画の作り方が上手いんですね。ゾンビから逃げのびた女性が雄叫びをあげ、監督の「カット!」で、映画製作だったんだと納得する次第です。ここまでが前半。後半は一ヶ月前にさかのぼり、この映画の裏の話、映画製作の悲喜こもごものプロセスが描かれます。
観ながら、何故か、フランスの巨匠故フランソワ・トリフォーの佳作「アメリカの夜」を思い出していました。これも、アメリカからの女優(ジャクリーヌ・ビセット)を呼び映画を作る中で起きるさまざまな人間模様の映画。もちろんトリフォーですので芸術的な作品で、カメ止めのドタバタズッコケ喜劇とは、似ても似つかぬものですが、二つの作品に共通するものがあります。映画への愛と情熱です。
カメ止めには一度見たら忘れられないキャラがいっぱい出てきます。とりわけ最高なのは、ゾンビチャンネルの女社長。このおばちゃんからゾンビ映画の製作を依頼される訳です。こんなオバハンどこから見つけてきたんやとヤジを飛ばしそうになりました。
カメ止めの大成功は、映画を目指す人たちに大きな夢を与えたと思います。300万円の制作費は多分機材のレンタルとフィルム代でしょう。お金がなくてもいい映画は作れるんだという素晴らしい夢を。
PS 出演者には,後日それなりのボーナスが払われたそうです。
85点
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